交通事故の損害賠償における自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの基準

交通事故にあって怪我をしたような場合、被害者は、加害者(加害者の加入する任意保険会社)に対して、賠償金を請求することができます。
その金額は、多くの場合、まず、任意保険会社から提示されます。ほとんどの方は、保険会社が提示するものなので、こんなものなのかなとなんとなく納得され、示談に応じてしまっていると思います。
しかし、実は、賠償金の計算方法は、1つだけではなく、任意保険会社が賠償金を決める際に用いている基準は、弁護士が請求する際に用いる基準と比較すると、かなり低いものになっているのです。
ですから、基準が複数あることを知って、正当な賠償金を得ることが大事です。そこで、この記事では、交通事故の賠償金を決めるための3つの基準について、解説していきます。

自賠責基準とは

すべての自動車は、「自賠責保険」(「自動車損害賠償責任保険」)に加入することが義務付けられています(自動車損害賠償保障法5条)。
そして、自動車損害賠償保障法(以下、「自賠法」といいます。)13条1項は、「責任保険の保険金額は、政令で定める。」と規定していて、自賠責保険における支払いの上限金額は、自賠法施行令2条に定められています。また、自賠法16条の3は、「保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下「支払基準」という。)に従つてこれを支払わなければならない。」と規定しており、これを受けて、国土交通省が支払い基準を作成しています。
自賠責保険は、被害者に必要最低限の損害賠償を行うためのものですので、基準の金額は、低くなっています。

任意保険基準とは

自賠責保険ではカバーしきれない損害を補償するのが、任意保険です。自賠責保険とは違って、加入するかどうかを任意に決めることができます。
任意保険基準とは、各任意保険会社が慰謝料も含めた損害賠償金額(示談金)を提示する際に用いる基準のことです。任意保険基準は、それぞれの保険会社が独自に設定しています。そのため、特に一律の決まりはなく、公開されているわけでもありません。ただ、示談金を支払う立場にある任意保険会社が自ら設定している基準ですので、弁護士(裁判所)基準と比較するととても低いものになっていうことがほとんどです。

弁護士基準(裁判基準)とは

弁護士(裁判)基準とは、弁護士が相手方に損害賠償請求を行う場合に用いる基準です。多数の裁判例を研究した結果として公表されたもので、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行する「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(通称「赤い本(赤本)」)という書籍にまとめられています。裁判所においても、この本の基準が目安にされていますので、「裁判基準」とも呼ばれています。
3つの基準の中で、一番高額の基準です。

具体例

それでは、実際に、損害賠償金額(ここでは、損害項目のうち、休業損害と慰謝料を取り上げます。)はどれくらいになるのか、追突事故にあってむち打ち症になり、6か月間(実通院日数100日)通院して、その後、後遺障害等級認定で14級9号が認定されたという例をもとに、みていきます。
なお、前述のように、任意保険基準は後悔されていませんので、ここで明確な金額を出すことはできませんが、自賠責基準の金額に少し足した程度と考えていただければよいと思います。

休業損害

自賠責基準 原則、5、700円×休業日数
弁護士基準 原則、事故前の1日当たりの収入額×休業日数

入通院慰謝料

自賠責基準 75万6、000円
弁護士基準 89万円

後遺障害慰謝料

自賠責基準 32万円
弁護士基準 110万円

正当な賠償金を得るために必要なこと

このように、自賠責基準、任意保険基準と弁護士基準では、慰謝料の金額が大きく変わってくることがおわかりいただけると思います。
つまり、弁護士に依頼して、弁護士が介入することで、得られる賠償金は、ほとんどの場合で増額されるのです。ケースによっては、数倍になること、数百万円単位でアップすることもあります。
また、後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害等級認定を獲得する必要がありますが、適正な等級認定を受けるのは、容易ではありません。複雑な問題が出てくることもありますので、この点についても、弁護士に依頼することがスムーズな認定につながります。上の例でもわかるように、後遺障害慰謝料は、高額です。
さらに、上の例では、14級という一番下位の等級でしたが、等級が上位になればなるほど、慰謝料の金額は大きくなり、任意保険基準と弁護士基準との差も大きくなります。例えば、1級の場合の後遺障害慰謝料は、自賠責基準で1、100万円、弁護士基準で2、800万円となっています。
したがって、交通事故で正当な賠償金を得るためには、弁護士に依頼することが得策なのです。

被害者が請求できる賠償金 治療費/付添費用/将来介護費/雑費/通院交通費/家屋・自動車改造費/休業損害/逸失利益/慰謝料/物損

交通事故で怪我をした場合は、弁護士にご相談ください

以上のように、交通事故の賠償金について存在する3つの基準のうち、最も被害者に有利な基準が、弁護士基準です。
弁護士に相談することなく、任意保険基準で提示された示談に応じてしまうと、大きく損をしてしまうことがありますので、その前に、ぜひ弁護士にご相談ください。

ctaMain__copy

ctaMain__phone
ctaMain__mail