保険

弁護士費用特約が使えないケース|SBI・ソニー損保など保険会社別

公開 2022.03.15 更新 2026.09.04
この記事を書いた人 弁護士 豊田 友矢 千葉県弁護士会所属 登録番号 49837
弁護士特約が使えないケース
目次
  1. 01保険会社別|弁護士特約が使えないと言われやすいケース
  2. 02弁護士特約が本当に使えないケース
  3. 人身傷害保険・車両保険に関する不満や請求について
  4. 事故相手からの不当な請求の対応
  5. 無免許運転で事故を起こした場合
  6. 酒気帯び運転(飲酒運転)中に事故を起こした場合
  7. 03保険会社や契約次第で弁護士特約が使えないケース
  8. 業務車両乗車中(業務中)の事故
  9. 自転車が加害者の事故
  10. 04保険会社や代理店で弁護士特約を使えないと言われたら
  11. 勘違い1:保険契約の種類によっては使えるケース
  12. 勘違い2:相手ともめてなくても問題なく使える
  13. 05相談した弁護士に弁護士特約を使えないと言われたら
  14. SBI損保・ソニー損保などの場合
  15. タイムチャージが使えない場合(SBI・アクサ・イーデザイン・東京海上など)
  16. 対処方法について|受け付けてくれる弁護士を探す
  17. 06弁護士特約が使えないときのよくある質問
  18. 07まとめ|使えないと言われても確認する価値があります

この記事の結論

  • 「使えない」と言われても、担当者の勘違いで実際には使えることがあります。
  • どの保険会社でも使えないのは、無免許・酒気帯び・自分の保険会社への請求・相手からの請求の4つです。
  • 業務中の事故と自転車事故は、保険会社と契約の種類で変わります
  • 弁護士側の事情で断られることもあります。この場合は、受けてくれる弁護士を探せば使えます。

保険会社・保険代理店や、相談した弁護士から言われるケースです。弁護士特約を使えないと言われて困っている方から、相談を受けることがあります。

弁護士特約を使えないと言われるケースでは、本当に使えない場合もあります。しかし、保険会社や保険代理店の担当者の勘違いの場合や、単に弁護士側の事情の場合もあります。そのため、実は弁護士特約を利用できたということもあります。

弁護士費用特約は、様々な保険会社・共済にあります。東京海上火災、損保ジャパン、三井住友海上、ソニー損保、アクサダイレクト、SBI損保、イーデザイン損保、三井ダイレクト、あいおいニッセイ、チューリッヒ、JA共済などです。弁護士費用特約が使えないと言われるケースは、それぞれ微妙に異なっています。

この記事では、弁護士特約が使えないケースについて詳しく解説します。

保険会社別|弁護士特約が使えないと言われやすいケース

先に、保険会社ごとの違いをまとめます。詳しい理由は、この後の各項目で説明します。

保険会社 業務中の事故 タイムチャージ 弁護士から断られやすいか
東京海上日動 使える契約がある 使えない(最低報酬金あり)
損保ジャパン 使える契約がある 使える
東京海上ダイレクト 使える契約がある 使えない(最低報酬金あり)
三井住友海上 使えないとされる 使える
あいおいニッセイ 使えないとされる 使える
SBI損保 要確認 使えない 断られることが多い
ソニー損保 要確認 使える 断られることがある
アクサダイレクト 要確認 使えない 断られることがある

同じ保険会社でも契約によって変わります

上の表は目安です。同じ保険会社でも、保険契約の種類や約款の適用年によって、弁護士特約の内容は変わります。必ず該当する約款を確認するか、保険会社や弁護士に相談するなどしましょう。

三井ダイレクト、チューリッヒ、JA共済など、表に挙げていない保険会社・共済でも考え方は同じです。まずはご自身の約款を確認してください

弁護士特約が本当に使えないケース

以下のケースでは、基本的にどの保険会社・共済の弁護士特約も使えません。

使えないケース 理由
人身傷害保険・車両保険への不満 自分の保険会社への請求だから
相手からの不当な請求への対応 自分が請求する側ではないから
無免許運転中の事故 約款で除外されているから
酒気帯び運転中の事故 約款で除外されているから

人身傷害保険・車両保険に関する不満や請求について

弁護士特約は、「事故の相手」に対して損害賠償請求するために弁護士に相談・依頼する時に使える保険です。

そのため、「自分の保険会社」へ請求する場合は対象外です。人身傷害保険や車両保険に関する不満についての相談・依頼には、弁護士特約は使えません。

事故相手からの不当な請求の対応

弁護士特約は、「自分が相手に対して」損害賠償請求をする場面のものです。そのために弁護士へ相談・依頼する時に使えます。

事故の相手から不当な請求をされているので弁護士に相談・依頼したい。このようなときには、弁護士特約は利用できません。

メインの契約で対応できることがあります

この場合は、弁護士特約ではなくメインの契約が使えることがあります。対人や対物の契約で弁護士に相談・依頼できる可能性があるため、保険会社へ相談しましょう。

無免許運転で事故を起こした場合

無免許運転で事故を起こした場合は、弁護士特約が利用できません。

例えば、父親の車を息子が無免許で運転して交通事故にあったようなケースです。この場合、父親が加入している自動車保険に弁護士費用特約が付帯していたとします。それでも、利用することはできません。

無免許運転であっても、事故の被害者側になることは珍しくありません。過失割合も、必ずしも無免許運転をしていた方が全て悪くなるわけではありません。

そうすると、無免許運転で事故にあった場合にも弁護士に依頼することがあります。加害者に慰謝料等の損害賠償を請求するためです。ところが、この場合、弁護士特約は使えないのです。

なお、無免許運転ではなく、単に免許不携帯中の事故であれば、弁護士特約は利用できます。

酒気帯び運転(飲酒運転)中に事故を起こした場合

酒気帯び運転中に事故にあった場合には、弁護士特約が利用できません。

無免許運転と同様に、酒気帯び運転であっても事故の被害者になることはあり得ます。例えば、酒気帯び運転中に追突事故にあうケースです。このような場合であっても、酒気帯び運転をしていたら弁護士特約は利用できません。

保険会社や契約次第で弁護士特約が使えないケース

業務車両乗車中(業務中)の事故

勤務先の車に乗っているときに起こった事故です。弁護士特約の保険会社によって、特約が使える場合と使えない場合があります。

使える契約がある 使えないとされる
  • 東京海上日動火災保険
  • イーデザイン損保
  • 損保ジャパン
  • 三井住友海上火災保険
  • あいおいニッセイ

使えないとされる保険会社でも、勤務先が加入している保険に弁護士特約がついていることがあります。その特約が使える場合もあるので、勤務先へ確認しましょう。

なお、同じ保険会社でも保険契約の種類や約款の適用年によって、弁護士特約が使えるかは変わります。必ず該当する約款を確認するか、保険会社や弁護士に相談するなどしましょう。

自転車が加害者の事故

自転車が加害者の事故では、通常の自動車事故限定型の弁護士特約は利用できないことがほとんどです。

特約の種類 自転車が加害者の事故
自動車事故限定型 使えないことがほとんど
自転車事故型 使える
日常事故型 使える

自転車事故型や日常事故型の弁護士特約に加入していることも多くあります。この場合は、自転車が加害者の事故であっても弁護士特約が利用できることになります。

必ず、自分が入っている弁護士特約の種類を確認するようにしましょう。

保険会社や代理店で弁護士特約を使えないと言われたら

保険会社や代理店の担当者に弁護士特約が使えないと言われたとします。しかし、実は担当者の勘違いで、実際には使える場合があります。

勘違い1:保険契約の種類によっては使えるケース

一番多いのは、保険会社や特約の種類によって使えるかどうかが変わるケースです。

例えば、代理店の担当者に、業務中の事故なので特約は使えないと最初は言われた事案です。実は加入している保険では利用できました。

自転車事故についても同様です。実は日常事故の特約に入っていたことが後から判明し、実際には利用できたこともあります。

勘違い2:相手ともめてなくても問題なく使える

また、特に相手ともめていない状態では弁護士特約が利用できないと言われたケースもありました。これは完全に間違いです。相手ともめていなくても、弁護士特約は利用することができます。

なお、保険会社が定めている報酬基準(LAC基準など)があります。これとは違った報酬体系の弁護士に相談しようとすると、担当者から弁護士特約の利用を嫌がられることがあります。

これについては、次の2つの記事で解説しています。

相談した弁護士に弁護士特約を使えないと言われたら

最後に、相談した弁護士から言われるケースです。この保険会社の弁護士特約を使っての依頼は受けられない、というものです。

SBI損保・ソニー損保などの場合

弁護士から弁護士特約利用での依頼を断られることが多い保険会社です。SBI損保、ソニー損保などがあります。

弁護士費用の支払いの根拠となる経済的利益の金額で折り合いがつかないことが多いためです。また、他の保険会社より支払い基準が低かったりすることも理由と考えられます。

タイムチャージが使えない場合(SBI・アクサ・イーデザイン・東京海上など)

物損のみ依頼する場合や少額の訴訟を依頼する場合です。タイムチャージが使えない弁護士特約では、依頼を受けられないと言われることもあります。

保険会社 タイムチャージ 最低報酬金の設定
アクサ損保(アクサダイレクト) 使えない なし
SBI損保 使えない なし
イーデザイン損保 使えない あり
東京海上日動火災保険 使えない あり

イーデザイン損保と東京海上日動火災保険には最低報酬金設定があります。そのため、アクサ、SBIに比較すれば断られるケースは少ないかと思います。

対処方法について|受け付けてくれる弁護士を探す

上記の保険会社の弁護士特約でも、利用を受け付けてくれる弁護士であれば問題なく利用できます。相談予約のときや、実際に相談しているときに弁護士に確認するようにしましょう。

また、この場合の「弁護士特約を使って依頼できない」という意味を確認しておきます。その弁護士が直接保険会社に弁護士費用を請求する方法が使えない、という意味です。

自分の負担で弁護士費用を支払った後であれば、話は別です。被害者自身が保険会社に対して、負担した弁護士費用の全部または一部を請求できる可能性はあります。

後から請求する方法にはリスクがあります

保険会社によっては、約款または内規で条件を定めています。保険会社の承認を得て弁護士に依頼した場合に限り、弁護士費用特約が利用できるというものです。この場合、利用自体についても保険会社ともめる可能性があります。仮に利用できたとしても、実際に支払った弁護士費用の一部しか認められない可能性が高いです。

このようなリスクは避けたいところです。最初から弁護士特約を利用して依頼できる弁護士を探す方が良いでしょう。

弁護士特約が使えないときのよくある質問

保険会社に「使えない」と言われました。あきらめるしかないですか。
担当者の勘違いであることがあります。特に多いのは、業務中の事故と自転車事故です。加入している特約の種類によっては使えるため、約款を確認してください。「相手ともめていないから使えない」と言われた場合は、完全に誤りです。
SBI損保やソニー損保だと、弁護士に断られやすいのはなぜですか。
弁護士費用の算定根拠となる経済的利益の金額で、折り合いがつきにくいためです。他社より支払い基準が低いことも理由と考えられます。ただし、これは弁護士側の事情です。受け付けている事務所であれば問題なく利用できます。
相手ともめていなくても使えますか。
使えます。もめていることは利用の条件ではありません。示談交渉が始まる前でも、提示額の妥当性を確認したい段階でも利用できます。
自分の保険会社が表にありません。どうすればよいですか。
考え方はどの保険会社でも同じです。まず約款で、業務中の事故と自転車事故の扱いを確認してください。判断が難しい場合は、保険証券をお手元にご用意のうえご相談いただければ、その場でお調べします。

まとめ|使えないと言われても確認する価値があります

弁護士特約が使えないと言われる理由は、大きく3つに分かれます。

  • 本当に使えない(無免許・酒気帯び・自分の保険会社への請求・相手からの請求)
  • 保険会社と契約の種類で変わる(業務中の事故・自転車事故)
  • 弁護士側の事情(受け付けていない事務所だった)

このうち後ろの2つは、確認すれば使えることがあります。言われたまま受け入れる前に、約款を確認するか、別の弁護士に聞いてみてください。

当事務所では、弁護士特約を利用してのご依頼を受け付けています。保険証券をお手元にご用意いただければ、使えるかどうかをその場でお調べします。相談料はいただいておりません。

執筆者

代表弁護士 豊田 友矢

千葉県弁護士会所属 登録番号 49837

全ての案件を、代表弁護士の豊田が担当します。交通事故の被害者側に特化しています。私も事故の被害に遭った経験があるので、事故被害者の話を真面目に聞きます。安心してご相談ください。

弁護士紹介を見る
記事URLをコピーしました