50代・会社員・男性・船橋市
重過失減額を異議申立で覆し、ゼロ回答の相手方に対し裁判で過失割合を依頼者9割から2割に逆転させ、約1億800万円を獲得した事例
ご相談内容
Pさんは、バイクで走行中、前方で右折しようとした自動車を後方から追い抜こうとしたところ、その自動車と衝突する事故に遭ってしまいました。
この事故により、前腕切断、肋骨多発骨折、中足骨骨折、後頭骨骨折、脛骨高原骨折という重いケガを負ってしまいました。
そこで、今後の後遺障害の手続や相手方への賠償請求について、シーアクトの弁護士にご相談いただきました。
サポートの流れ
| 項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 後遺障害等級 | ― | 併合5級(5級4号・14級9号) | ― |
| 入通院慰謝料 | ― | 330 | +330 |
| 逸失利益 | ― | 9,000 | +9,000 |
| 後遺障害慰謝料 | ― | 1,400 | +1,400 |
| 過失割合 | 10:90 | 80:20 | ― |
| 合計 | 提示なし | 10,800 | +10,800 |
まずは、後遺障害について、自賠責保険の事前認定の手続が行われました。
その結果、前腕切断について5級4号、脛骨高原骨折後の痛みについて14級9号が認定され、併合5級となりました。
ところが、自賠責保険は、Pさんに重大な過失があるとして、支払額を3割減らす重過失減額を行っていました。
3割の重過失減額は被害者の過失が8割以上の場合に行われるものなので、自賠責保険は、Pさんの過失を8割以上と考えていたことになります。
自賠責保険は、この事故を右折車と後続の直進車との事故として扱い、別冊判例タイムズの基準で自動車同士なら依頼者側9割の過失となるところ、バイクであることによる修正をして、依頼者側8割程度と判断していたと考えられます。
そこで、重過失減額に対して異議申立を行いました。
異議申立にあたっては、分厚い刑事記録を詳細に検討し、多数の裁判例も調査しました。
その上で、自賠責保険が重過失減額の根拠とした別冊判例タイムズの図は、この事故には当てはまらないことを強く主張しました。
その結果、こちらの主張が認められ、重過失減額はしないという結果になりました。
この結果をもとに相手方保険会社と示談交渉を始めたところ、相手方はすぐに弁護士に依頼しました。
ところが、相手方の弁護士は、自賠責保険の当初の判断と同じように、Pさんの過失が9割、相手方の過失が1割であると回答してきました。
過失割合が相手方10:依頼者90であれば、既に支払われた自賠責保険金や、任意保険会社が支払った治療費などの既払金により、追加で支払うものはないという、いわゆるゼロ回答でした。
これでは示談交渉の余地がないため、すぐに裁判の準備をして、裁判を提起しました。
裁判での一番の争点は過失割合でしたが、逸失利益などが多額になったことから、損害全般についても争点となりました。
逸失利益のほか、義肢の費用や将来のメンテナンス費用なども争われました。
解決内容
裁判は1年以上続きましたが、最終的に裁判所から出された和解案に双方が応じ、和解が成立しました。
裁判所が示した過失割合は相手方80:依頼者20となりました。
相手方の弁護士が主張していた相手方10:依頼者90や、自賠責保険の重過失減額から考えられる相手方20:依頼者80と比べると、完全に逆転した結果になりました。
損害については、逸失利益として約9000万円、後遺障害慰謝料として1400万円、傷害慰謝料として330万円などが認められ、既払金や諸費用なども含めて合計約1億3000万円の損害が認められました。
最終的に、相手方から追加で約7600万円を受け取る内容で、裁判上の和解が成立しました。
これに、すでに受け取っていた自賠責保険金約1574万円、障害年金からの回収分約1000万円、相手方保険会社から受け取っていた休業損害約630万円をあわせて、合計で約1億800万円(治療費は除く)の賠償金を獲得しました。
所感(担当弁護士より)
今回は、自賠責保険から依頼者の過失が8割以上と判断され、相手方の弁護士からも依頼者の過失9割を前提としたゼロ回答を受けていた事案でした。
今回の解決のポイントは2つです。
1つ目は、刑事記録や裁判例を徹底的に検討し、自賠責保険が当てはめた別冊判例タイムズの図がこの事故には当てはまらないことを主張して、異議申立で重過失減額を覆したことです。
2つ目は、ゼロ回答で示談の余地がない中、すぐに裁判を起こし、過失割合だけでなく逸失利益や義肢の費用など損害全般を主張・立証したことです。
過失割合は、どの事故の型に当てはめるかによって結論が大きく変わります。
保険会社や自賠責の判断が必ずしも正しいとは限りませんので、納得できない場合は弁護士に相談していただきたいと思います。
結果的に、過失割合を完全に逆転させ、治療費を除いて合計約1億800万円の賠償金を受け取る内容で解決できて良かったと思います。
掲載内容について
個人が特定されない範囲で掲載しています。記載の金額は個別の事案における結果であり、同種の事故で同様の結果をお約束するものではありません。
