このページの要点
- 主婦・主夫も家事ができなかった分を請求できます
- 保険会社の提示は1日6,100円のことが多く、弁護士基準の半分近くです
- 金額の差は日額より「何日分と認めるか」で大きく開きます
休業損害とは、事故のけがで働けなかった分の補償です。
請求できるのは会社員だけではありません。主婦・主夫も、家事ができなかった分を請求できます。ただし、こちらから資料をそろえて請求しない限り、支払われません。保険会社が自動で計算してくれるものではありません。
主婦・主夫の休業損害
家事は収入を生みませんが、労働として評価されます。収入がなくても請求できます。
自賠責の基準でも家事従事者は対象です。ただし金額は大きく違います。
1日あたりの金額が2倍近く違います
| 基準 | 1日あたり | 90日分(単純計算) |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 6,100円 | 54.9万円 |
| 弁護士基準 | 11,491円 | 103.4万円 |
| 差額 | +5,391円 | +48.5万円 |
※ 入院中など1日完全休業した場合の金額です。自賠責基準は2020年4月1日以降の事故の額です。弁護士基準は令和6年の賃金センサスによる額です。女性全年齢平均4,194,400円を365日で割っています。事故の年度により変わります。
パートで働いていても請求できます
パート収入がある方は、兼業主婦・主夫として扱われます。
この場合、実際のパート収入と賃金センサスの、高いほうを使えます。パート収入が少なければ、賃金センサスで計算できます。
主夫の方も同じです。女性の平均賃金を用いるのが実務の扱いです。
もめるのは日額よりも「何日分か」です
日額の差は説明しやすい部分です。実際に金額を左右するのは、休業日数の認定です。
家事は毎日あるため、通院した日だけができなかった日とは限りません。日数の数え方には、いくつかの方式があります。
- 通院した日だけを休業日として数える
- 入院・安静期間は全日とし、その後は月ごとに割合を下げる
- 症状の推移に応じて、期間ごとに割合を決める
保険会社の提示は、最も低い方式であることがほとんどです
通院実日数に日額6,100円を掛けた金額が示されます。90日の治療期間で通院が30日なら、18万3千円です。同じ事案でも、割合で認定すれば数倍になることがあります。
どの方式が説得的かは、けがの内容と家事の実態で変わります。診断書と、日常生活の支障を示す資料が根拠になります。
会社員・自営業の方の休業損害
会社員の場合
勤務先に休業損害証明書を書いてもらいます。事故前3か月の給与から日額を出します。
有給休暇を使った日も請求できます。収入は減っていなくても、休暇という財産を失っているためです。見落とされやすい部分です。
自営業の場合
前年の確定申告をもとに日額を出します。
確定申告をしていない場合でも、あきらめる必要はありません。帳簿や通帳など、ほかの資料で収入を示せることがあります。
自営業では、休んでも固定費が発生します。家賃や従業員の給与など、休業中も避けられない費用は別に請求できる場合があります。
請求しなければ、支払われません
休業損害は、被害者側から資料をそろえて請求するものです。
とくに主婦・主夫の場合、保険会社から案内されないまま示談になることがあります。
家事従事者であることを示す資料も必要です。
- 同居しているご家族の住民票
- 同居者の収入がわかる資料
- 通院の状況と、家事にどう支障が出たかの記録
示談が成立した後では、原則としてやり直せません。提示された金額に休業損害が入っているか、必ず確認してください。
- 示談金の妥当性チェック
提示された金額に漏れがないか確認できます
弁護士に依頼すると、何が変わるか
休業損害について、次の対応を行います。
- 家事従事者にあたるかどうかの見立てと、必要な資料の指示
- 実収入と賃金センサスを比べ、有利なほうで計算
- 休業日数の数え方を、事案に即した方式で主張
- 勤務先への休業損害証明書の依頼と、記載内容の確認
- 有給休暇分や固定費など、見落とされやすい項目の洗い出し
休業損害だけを切り離して交渉することはありません。慰謝料や逸失利益とあわせて示談金全体を組み立てます。
ご相談は無料です。弁護士費用特約が付いていれば、自己負担なくご依頼いただけます。
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費用倒れにならない仕組みをご説明しています
治療費の打ち切りと同時に止まります
休業損害は、治療費と一緒に打ち切られることがほとんどです。
自賠責の傷害分には120万円の上限があります。治療費と慰謝料でこの枠が埋まると、保険会社は自社負担になります。そのため、枠に近づいた時点で打ち切りを打診されます。
治療の必要があるなら、打ち切りを受け入れる必要はありません。
- 治療費打ち切りへの対応
打診を受けたときにすべきことをご説明しています
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